\3800通信その6:海を渡った少女まんが
春は恋の季節です。
なぜって?
出会いがあるから。
新入社員のあのコかわいいなぁ・・・
あの人、今度ランチさそってみようかしら・・・
今度の席替えときにはあのショートのベイベーの隣になりたいぜ・・・
いろいろ思惑がウズマキますね。
と・こ・ろ・が、
イギリスは年度のはじまりが10月なため、春は恋の季節じゃぁない。
でも、日本で育った私のはぁとは、春になったらオートマチック恋モード。。。
トキメキ不足に悩みます・・・
というわけで!
ときめき補給のためにロンドンの日系古本屋さんで安い少女マンガをまとめ買い!
安いのをてきとーに買ったんだけど、そのなかになんと、少女漫画史上に残ると思われる大傑作を発見!!!今回はそれを紹介するネ!
紫海早希『エリートさま 恋・仕様:LOVE→課外授業』
(少女コミック2004年1-3/4月号連載、小学館)
・才色兼備の由紀緒さまは学校始まって以来のエリートさま。なんでもできる生徒会長で、生徒たちの憧れの的。そんな彼女が頼りにしてるのが、生徒会員で調子のいい恭平くんとクールな佐原くん。2人は女子の人気を二分してるの。
・実は由紀緒さまは恭平くんのことが好きなんだけど、なかなか素直になれないでいるの。そんなとき、転校生の奏子ちゃんが恭平くんに告白!どーぉおしよぉー?!?!
・佐原くんに背中を押されて自分の気持ちを素直に伝えようと決心したはずの由紀緒さま。でも、かんじんの恭平くんは由紀緒さまと佐原くんが両思いだと勘違いしてて・・・?!
・・・と、「なんだ、良くあるパターンじゃん。」と思ったアナタ!
でも、ちょっーと違うんですってば。
なんでこのマンガがとりわけ素晴らしいのか、これから読む人たちの楽しみを奪わないように、鑑賞のポイントを2つだけ教えちゃうね!
1.由紀緒さまはホントになんでもできる。
少女まんがのヒロインは何かしら欠点やコンプレックスをもってる娘が多いよね。それは、読者だってみんな欠点やコンプレックスをもってるから、パーフェクトじゃない方が等身大のヒロインとして感情移入できやすいからだよね。
対照的に、少女漫画のヒーローはとにかくカッコイイ男の子が多いよね。それは、恋してるときは客観的にはどんなダメ男でもカッコよく見えちゃうからだよね(失礼)。
で、『エリートさま 恋・仕様』も例にならってヒーローの恭平くんがちょーカッコイイんだけど、例にならわずヒロインの由紀緒さまもちょーカッコイイ。ていうかホントになんでもできるエリートさまなの。
に・も・か・か・わ・ら・ず!
読者がそんな由紀緒さまに感情移入できちゃうのは、この設定のおかげ:
「スーパー生徒会長由紀緒サマ
でも・・・恋だけは只今修行中です!」
・・・うーん、見事だしうみん。
これで恋も問題なしだったらただの嫌味なヤツだもんなぁ・・・。
2.脇役もステキ(はぁと)
さて、この由紀緒さまの少女マンガの主人公としての魅力をを、今度はミクロな視点からから見てみまshow!
脇役ででてくる校長先生がいるんだけど、彼と由紀緒さまの会話シーンが秀逸。というのは、校長先生に対して話しかけている由紀緒さまが、校長先生の独特のキャラのために、いつのまにか彼に話しているのか自分自身に話しているのかがわからないカンジで受け答えをしているの。
で、校長先生が:
「さすが鷹宮由紀緒、なんでもできますなぁ」
と褒めたのに対して、
「そんなことないですよ・・・」
と以下続くセリフで、なかなか素直になれない由紀緒さまの素直な気持ちが自然に描かれる。これ、マンガ全体のなかではすっごい小さいシーンなんだけど、これのおかげで由紀緒さまの「恋だけは只今修行中」が非常に映える。ぜひみんなも読んでみてね!
・・・いやーそれにしてもサイコーだー。
少コミなのに純愛系だし。
何度読んでもすばらすぃー(号泣)。
・・・というわけで、あたしの春のトキメキ飢饉は無事回避されました。
c-manもぜひ読んで、自分のプライヴェートのイマイチさを慰めてたまには息抜きでもしてね!(でも、FC買いにいくときは白い目で見られるのを覚悟で。捕まんないでねー。)